「婚約指輪は給料の3か月分」
このキャッチフレーズはもともと、ダイヤモンドの採掘と取引を行っているダイヤモンド・ブランドのデ・ビアス社のプロモーションのための広告メッセージでした。
デ・ビアス社のダイヤモンドのプロモーションは独創的で大変戦略的なもので
「ダイヤモンドは永遠の輝き」
「スイートテンダイヤモンド」
「トリロジーダイヤモンド」
なども、実はデ・ビアス社が打ち出したプロモーションのキャッチフレーズです。
婚約指輪(エンゲージリング)や結婚指輪(マリッジリング)もデ・ビアス社のCM戦略で、実は婚約時にダイヤモンドを贈るという慣例はデ・ビアス社がダイヤモンドのマーケットを開拓して作り上げてきたものなのです。
↓動画を拝借しました。
1980年代後半から1990年代はデビアスだけでなく、銀座ジュエリー マキなどのCMもよく流れていましたね。
ダイヤモンドは永遠と愛の象徴
デ・ビアス社は第二次世界大戦前から婚約指輪や結婚指輪で特に「ダイヤモンドは永遠と愛の象徴」と宣伝しました。
- イギリス王室にイヤモンドを献上してダイヤモンドを広める。
- ラブロマンス映画中で結婚の祝いにダイヤモンドを使用。
- 有名人を起用して雑誌や新聞中にダイヤモンドのロマンチックな内容を掲載。
- ファッションデザイナーやマーケティングのプロにマスコミで流行を広めさせる。
このデ・ビアス社のPR機関によって立案されたプロモーションは、人々にブランド名を周知させるだけでなくダイヤモンドそのものの永遠の価値を広めたのでした。
ダイヤモンドの価値はデビアスによって作られた
ダイヤモンドとデ・ビアス社は深い関係にあります。
世界のダイヤモンドの80%~90%を支配していたデ・ビアスは、
①独占禁止法違反に問われ、
②ロシアやオーストラリアでもダイヤモンドが生産されるようになり、
現在のデ・ビアス社のダイヤモンドのシェアは世界の5割程度になりました。
デ・ビアス社が日本で上記のようなCMを流し、有名なキャッチフレーズを広めていたバブル頃の売り上げは4,000億円だったそうですが、現在では1/4の1,000億円弱まで下がり、テレビCMも見なくなりました。
ただ、シェアが5割にまで落ち込んでもデ・ビアス社がダイヤモンドを市場に流通させるとダイヤモンドの市場価格が変動するほどまだまだダイヤモンドに影響力があります。
独占禁止法に触れてしまった一方で、デ・ビアス社がダイヤモンド市場を独占することで価値を守られたのでした。
今日のダイヤモンドがこれほど価値がついたのはデ・ビアス社の力によるものといっても良いのです。
婚約指輪と結婚指輪はどう違う?
同じような時期になぜ2つも購入するのでしょうか。
給料の3か月分とされる婚約指輪は、結婚することを誓う証としての指輪です。
結婚の約束をした男性から女性に対して贈られる指輪で、華やかで高価なダイヤモンドを使用したものが一般的です。
豪華なデザインですから、普段遣いというよりは、豪華で華やかなデザインが多いですね。
一方で、結婚指輪は名の通り結婚の証となる指輪のことです。
結婚式に二人の誓いの証として交わされますが、結婚後も日常的に指にはめますから、飾りは控えめで機能重視のシンプルなものが一般的です。
既婚者という印になるので、一目で結婚しているとわかります。